朝食用の卵料理といえば、最も一般的なのは、焼いたり煎ったりするもの、つまり炒り卵やオムレツや目玉焼きが定番だ。ロシア人はオムレツが好きだが、卵をかき混ぜるのにちょっと時間がかかるし、冷蔵庫にミルクがないかもしれない。だから、いちばん簡単で手っ取り早い料理は、目玉焼きだ。卵黄が壊れないように注意しよう。この料理では、卵黄が目玉みたいに見えるので、ロシア人は「グラズニヤ」と呼んでいる。「グラズ」はロシア語で目を意味する。
材料:オイル(またはバター)小さじ1杯、1人当たり卵2つ、トッピング(具:味付けチーズ、スライスソーセージ、野菜など)、トースト。
作り方:油かバターを引いて熱したフライパンに、卵を入れる。卵白が固くなるまで約7分間待つ。熱いうちにトーストといっしょに出す。トーストを卵黄につけて食べてもいい。
子供の頃からロシア人は、たくさんの、そしたいろんな種類のお粥を食べさせられる。そば、オートミール、キビ、さらには、ヌードル入りのいわゆる「ミルクスープ」などもある。しかし、最も愛され、かつ最も嫌われているお粥は、セモリーナのお粥「マンナヤ・カーシャ」だ。すべてのロシアの子供にとって(実は大人にとっても)、このお粥で最悪なのは、小麦粉が塊になって残っているときだ。それを避けるために、慎重にレシピに従って調理しよう。
作り方:まず、鍋にミルクを入れる前に、冷たい水で鍋をすすいで、ミルクが沸騰しにくいようにしておく。ミルクを(またはミルクを水と一緒に)入れて、沸点近くまで熱し、そこにゆっくりとセモリーナを振りかけて入れながら、常にかき混ぜる。一定量を入れたら、時折かき混ぜつつ、5~7分間熱し続ける。鍋を火から下ろし、バターを加えて、再び混ぜる。ここで、塩と砂糖で味付けする。果物やベリーを加えるととても良く合う。
外国人は、これが自分の好きなロシアのデザートの一つだとよく言う。本当に素早く料理できるし、簡単だ!もっとも、主な材料は、ロシアのカッテージチーズ「トヴォローグ」なので、ちょっと手に入れにくいかもしれない。だから、自家製のトヴォローグを作る方法を習得するために、このガイドに従うか、代わりにクリームチーズを使用してもいい。もちろん、フライパンからアツアツをそのまま盛り付けるのが最高だが、冷蔵庫に入れて数日経ってもまだだいじょうぶで、また加熱すればおいしくいただける。
材料:カッテージチーズ400グラム、卵2個、小麦粉大さじ3、塩小さじ1/2、砂糖大さじ2
作り方:均等に滑らかになるまで、カッテージチーズをフォークで砕き、練る。卵を加え、フォークかミキシングスプーンで混ぜる。次に、塩、砂糖、小麦粉を加え、手で混ぜ合わせる(ミキサーを使用すると、バターが薄くなってしまう)。
2つの調理方法がある:
1) ダイエットをしておらず、時間のある人のためのレシピがこれ。混ぜ合わせたものを延ばし、粉を加えて、厚さ約1センチにスライスする。手でスライスを楕円形にし、キツネ色になるまで、十分に焼き上げる。
2) スプーン1杯のバターをフライパンで溶かし、両側がキツネ色になるまで焼く。
できあがったら、すぐに食卓に出すこと。冷めても再びオーブンで加熱すればよい。180℃(華氏350度)で10分間加熱する。
ブリヌイは、ロシアの伝統的なデザートの一つであり、すごくおいしい!古代より伝わり、1週間続く冬送りの祭り「マースレニツァ(バター祭り)」で、人々はこのロシア風パンケーキを食べて祝う。ブリヌイは、古代の異教時代と太陽崇拝に起源をもつ(ブリヌイは太陽をかたどっている)。
ブリヌイには数多くのレシピがあり、ロシアではほとんどすべての主婦が自分のバリエーションを持っている。ここでは、19世紀の文豪レフ・トルストイのソフィア夫人のレシピをご紹介しよう。十分に信頼できると思う。
材料:ケフィア(ヨーグルト)2カップ、小麦粉2カップ、卵2個、ベーキングソーダ(重曹)小さじ1/2、油大さじ2、お好みで砂糖と塩
作り方:深いボウルにケフィア、小麦粉、卵、砂糖、塩を入れて混ぜる。沸騰したお湯の入ったカップに、ベーキングソーダを加え、よく混ぜる。そのベーキングソーダとお湯を、ゆっくりバターに注ぐ。滑らかになるまで混ぜ、5分間置いておく。その後、ボウルに油を入れる。大さじ1杯のバターを、パンケーキ1枚に対してフライパンに引き、軽く茶色になるまで焼き上げる。パンケーキの端にバターをつけて、パサパサにならないようにするのがよい。
もう一つ、ソ連時代のおばあさんから伝わる、便利で手早くできるレシピがある。おいしいだけでなく、乾いて硬くなった棒パン(白パン「ナレズノイ」)を活用できる素晴らしい方法だ!この料理の詳細はこちら。
材料:硬くなった白パン1、卵2個、砂糖大さじ1
作り方:パンを約1〜1.5センチの厚さにスライスする。ボウルで、卵と砂糖をフォークで混ぜる。パンの両側を、卵をかき混ぜたものに浸し、加熱したフライパンに入れる。しっかり卵を焼き付けるために、植物油かバターを小さじ2杯ほどフライパンに引く。
具材なしの水餃子とはまた、何という偉大な発明か!天才的なアイデアで、かったるい土曜日の朝に欠かせない。ジャム、サワークリーム、蜂蜜、その他の何か甘いソースなど、何でもあなたが選んだものを上にかけることができる。そして、次の機会のために、未調理の、残りのヴァレニキを冷凍保存できるのだ。
材料:スィルニキとだいたい同じで、カッテージチーズ400グラム、卵2個、小麦粉大さじ4、塩小さじ1/2、砂糖大さじ2
作り方:フォークでカッテージチーズを砕き、ボウルに入れる。卵と砂糖を加えて混ぜる。次に、小麦粉を加え、フォークでよく混ぜ合わせる。生地がねばねばしすぎないように、生地が手に付着しなくなるまで、小麦粉をふりかける。今度は、生地をいくつかに分ける。それから太い棒状に巻き、それを小さな断片に切り、3センチ弱の塊にする。鍋にお湯を沸かし、塩を少し入れる。そこに、このヴァレニキを落とし、上に浮いてくるまで3〜4分間煮る。細長いスプーンか網杓子でそれをすくい、お皿にのせる。適当な量のバターとお好みのジャム等をかけていただく。
秋の日曜の朝、あなたのところにリンゴがたくさんあり、どこへ急ぐ必要もないとき、これは完璧な食事となる。このデザートは19世紀初めから作られている。ビデオレシピもどうぞ。
材料:卵4個、リンゴ4個、砂糖250グラム、小麦粉250グラム、ベーキングパウダー1/2、スパイス大さじ3(挽いたクローブ、すりおろしたオレンジの皮、ナツメグ、シナモン)
作り方:卵に砂糖をくわえ、ふっくらするまでかき混ぜる。これに小麦粉とベーキングパウダーを入れて混ぜる。りんごの皮を剥き、薄くスライスして香辛料を入れる。これをベーキングパンの底にずらりと並べ、上に生地を注ぐ。摂氏180度(華氏350度)で30~40分間焼く。
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