ペレペチは長い間、ウドムルト地方の伝統料理の1つにすぎなかったのだが、最近ではロシア各地でよく知られるようになった。端が指でつままれ、口が開いた貝殻のようなパイの名前は、文字通り「暖炉の後ろで焼かれたもの」という意味である。伝統的にペレペチはロシアの暖炉の弱火で焼かれたからである。
ペレペチの生地はとてもユニークなものである。一見すると見かけは伝統的なショートクラストであるが、実際はそれほどサクサクしておらず、柔らかい。しかもペレペチはもともとライ麦粉から作られている。現在は、ライ麦粉ではなく、普通の小麦粉が使われることが多いが、個人的にはライ麦粉を少量入れることをお勧めする。それによって独特の豊かなライ麦の風味が出て、より「ロシア的」な一品になるからである。
ペレペチは、どのようなものを詰め物にしても美味しい。一番伝統的なものは、マッシュポテト、マッシュルーム、キャベツ、イラクサ、そして肉で、ここではひき肉を使ったレシピを紹介したい。ペレぺチの詰め物のもう1つの特長は、必ずそこに卵とミルクを混ぜて加えることで、それによってフランスのキッシュのような感じになる。
生地の材料:
フィリングの材料:
1. 生地を作る。大きめのボウルに、室温に戻して柔らかくしたバター、卵、小麦粉、ライ麦粉、水、砂糖、塩を入れ、こねる。伝統的なペレペチはライ麦粉のみで作るのだが、小麦粉を加えるとより柔らかくなるので、2種類の粉を混ぜて使う。粉は合わせて250g使うが、小麦粉とライ麦粉の割合は半々でもよいし、ライ麦粉が手元になければ使わなくてもよい。
2. 生地が柔らかくなり、手にくっつかなくなったら、生地をラップで包み、室温で20分置いておく。
3. その間にフィリングを作る。タマネギは小さく刻み、油を入れたフライパンに入れ、中火で炒める。
4. タマネギが柔らかくなったら、ひき肉を加え、色が変わるまで炒める。塩と粗挽きコショウ、またお好みのスパイスで味を整える。
5. 別のボウルに卵と牛乳、塩ひとつまみを入れて泡立てて、置いておく。
6. 生地は8-10等分して丸め、それぞれを直径10センチくらいになるようのばす。
7. そっと生地の端をつまんでフチを作り、タルトのような形になるようにする。
8. それぞれのタルトにひき肉のフィリングを大さじ山盛り1杯ずつ入れ、上からゆっくり卵と牛乳を混ぜたものを注ぐ。
9. ペレペチをパーチメント紙を敷いた天板に並べ、180℃のオーブンで20分から25分ほど焼く。
10. 焼きあがったら、すぐにサーブする。ペレペチは、オーブンから出してすぐにいただくのがおいしい。パイ生地は柔らかくて、少しサクサクしていて、中のフィリングはジューシーで濃厚。ぜひ皆さんに食べてみていただきたい一品。プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)
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