ロシア人がサラダを作り出したのは19世紀になってからである。ロシア料理の歴史に詳しいウィリアム・ポフリョーブキンによると、食の流行は往々にしてヨーロッパからもたらされるという。最近は1種類の野菜でつくられるサラダが多い。たとえばビーツサラダ、ポテトサラダ、キャベツサラダなどである。1種類の野菜の料理なんてつまらないと言う人がいるが、食材の本当の美味しさを感じさせてくれるミニマリズム的なアプローチがいいと言う人もいる。とはいえ、これから紹介するサラダはなかなか興味深い。
赤いビーツと言えば、ロシアの最も伝統的な野菜の1つであり、一般的には、オーブンで焼いたり、シチューにしたり、丸ごと出されることが多い。というわけで、まずはビーツサラダを作ってみよう。今回ご紹介するのは現代風のレシピである。
1. ビーツは洗って、ローズマリーとローリエと一緒にアルミホイルに包み、オーブンで1時間ほど焼く(ビーツが大きければ、もう少し長い時間焼く)。煮るのに比べて、焼いた方がビタミンを逃がさない。
2. ビーツの粗熱が取れたら、皮をむく。
3. ビーツをおろし、植物油、バルサミコ酢、塩、コショウ、ニンニクを加えて、よく混ぜ合わせる。
4. クルミと新鮮なタイムと一緒にいただく。
ソ連時代、断食の伝統はほとんど忘れ去られていた。善良なソビエトのプロレタリアートは強くなければならず、栄養を十分とって「幸福な未来」を建設することを求められていた。食べものが脂質豊富で健康的でなくてはならないのはこのためである。カルト的人気を誇る料理本「おいしく、健康に良い食べ物の本」を見れば、いろいろな野菜サラダを見つけることが出来る。マヨネーズやサワークリームで和えるサラダで、それぞれ肉料理への付け合わせとしてどのように出せばよいかのアドバイスもしてくれる。ちなみに、この本はここに紹介する2つのレシピのヒントになった。
このサラダはもともとはラディッシュ、レタス、サワークリームのみで作られていた。ソ連時代には、「ヴェセンヌィ」、すなわち「春の」サラダとして親しまれていた。
1. ラディッシュとキュウリは輪切りにする。葉物野菜は食べやすい大きさに切る。サラダにオリーブ油をかけ、塩、コショウで味を整える
2. 「ソ連風デトックス」を試してみたいなら、少量のマヨネーズを加えてもよい。
果物と野菜を組み合わせた新鮮でジューシーなサラダだ。ソ連時代には、レストラン、学校、リゾートの食堂のどこでも食べることができた。
1. ニンジン、キュウリ、リンゴはできるだけ薄くスライスする。
2. 縦に細切りする。
3. ドレッシングを加えて、手で軽く混ぜる。オリジナルのレシピではサワークリームが使われているので、オリーブ油の代わりにサワークリームを加えてもよい。
4. テーブルに出す。
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