ロシア北部では、これまでなんども戦争や紛争があったが、ロシアやフィンランド、スウェーデンの人々を結びつけているのが、このカリートキである。カレリア、ヴェップス、ザオネジュなど地方によって形やつくるときの指のつまみかたに違いがあり、実際にその作り方を見ればどの国の人でどの村出身かが分かることもあるという。カレリアの人々は楕円形、ヴェップスやザオネジュの人々は丸く作る。
中に入れるフィリングも違うのだが、最も伝統的なのは粥である。また粥に加えて、マッシュポテトも入れられた。
わたしが個人的に一番好きなフィリングは、トヴォーログ(カッテージチーズ)。柔らかく、水分が含まれているので、甘くない生地でもほとんど塩気のない生地でも合うからだ。
生地には、「不健康」なものはなにひとつ含まれていない。材料はライ麦粉、ケフィール(ヨーグルトに似た乳発酵食品)、一つまみの塩だけ。カリートキは高たんぱく質が十分に含まれており、脂肪を燃焼してくれるダイエット・パイであり、現代の健康志向の人たちにもぴったりである。
ひとつ、忘れてはならない大切なことがある。カレリアの主婦たちの間には「カリートキに必要なのは8」という言い回しがある。つまり、伝統的なカリートキは8つの材料で作ることができるという意味なのだが、このレシピでは水を使わない。残りの7つの材料はどこのキッチンでも簡単に見つけることが出来るものだ。
1. フィリングから作る。トヴォーログ(カッテージチーズ)、砂糖、サワークリームを大きめのボウルに入れ、均等に混ざるまでブレンダーにかける。
2. 生地は簡単に作れる。ライ麦粉に塩を加えて混ぜたら、ダマにならないよう少しずつケフィール(またはヨーグルト)を加える。長く混ぜすぎないこと。写真にあるように球形にまとめる。
3. 生地をのばし、クルミのサイズかもう少し大きめに切る。
4. 作業台にカットした生地を乗せ、楕円形にのばし、フィリングを中央に乗せる。生地の端を少しずつつまんでフィリングの周りを少し覆うように、重ね合わせて閉じていく。楕円形を保ちながら、フィリングの中央は見えるようにする。
5. 残りの生地も同じようにする。天板にパーチメント紙を敷いて、並べる。
6. 230℃〜240℃に予熱したオーブンに入れ、少し色づくまで焼く(10〜15分くらい)。
7. 焼きあがったらすぐに常温に戻したバターを塗り、キッチンペーパーを敷いたお皿に乗せて冷ます。
カリートキは伝統的にミルクと食べることが多いが、紅茶やコーヒーともよく合う。どうぞ召し上がれ!
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