各地の伝統料理、食材やレストランを紹介するオンライン旅行ガイドである「テイスト・アトラス」に、インディギルカ・サラダが「世界でもっとも不味い料理」ランキングに入った。
我々の読者のひとり、アラインは、これを決して食べたいとは思わない料理のひとつだと指摘している。「魚は調理して食べるものだ。凍った魚肉の塊をぶつ切りにして、塩と油に浸しただけのものは料理ではないし、サラダとも言えない」。
ところでインディギルカ・サラダとは一体どんなものなのだろうか?冷凍魚のぶつ切りにタマネギ、ひまわり油、塩コショウで合わせたものだ。これは地元の伝統料理をベースにしていると考えられており、それをヤクート人のシェフ、イノケンティ・タルバホフによって紹介された。インディギルカとはロシア極東部サハ共和国ヤクーチア地方の川の名前である。
このサラダをつくるにあたりポイントとなる食材はもちろん新鮮な冷凍魚である。冷凍温度は零下40度もの低温が必要で、そうでなければ魚が水っぽくなってしまう。魚の中に氷の粒が入っていてはいけない。それは生きたまま冷凍されてないことを意味するからだ。
典型的なインディギルカ・サラダはブロードホワイトフィッシュ(チルとも言われる)、ネルマ、ムクスンなど地元で獲れる魚を使ってつくられ、氷のボウルに入れて出されるのが伝統だ。サラダには魚卵やキイチゴなどのベリー類が合わされる。
つまるところ、このインディギルカ・サラダは、ロシアの極寒地方に行かない限り本物を食べることはほぼ不可能だということだ。ヤクーチア地方に行くチャンスがあるなら、ストロガニーナやスグダイ(同様に冷凍魚や冷凍肉の料理)など他の地元料理にもトライしてみてほしい。
テイスト・アトラスの投稿者のひとりは、「わたしはロシア人だけど、このサラダのことは知らなかった。でもググってみると、タルタルステーキ、セビーチェ、刺身などに類するものだと思った」と述べている。
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