1980年代、ソ連は大型ハドロン衝突型加速器の開発プロジェクトを始め、21㌔の環状トンネルをモスクワ州の科学研究の街プロトヴィノに建設した。地下60㍍にある。ソ連が崩壊して、あらゆる種類の研究計画が崩壊したが、科学者は加速器を満足のいく状態に保ち、プロジェクト復活を望んでいた。
ニジニ・ノヴゴロド州にある電離圏を研究する実験所、スラ電離圏加熱施設は当初、軍事用に設計された。国連が、環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約を可決する1970年代後半まで、研究は行われていた。この条約ができてからは、電離圏の研究のみが行われるようになった。
放棄されている弾道ミサイルR-12ドヴィナの格納庫は、現リトアニアにある。ミサイルの名称はこの地域を流れる西ドヴィナ川からきている。格納庫には4台の発射装置が装備されている。ミサイルの射程距離は300~3500㌔。
ソ連のウイルス学研究の街ザゴルスク6は、細菌兵器の研究で知られていた。1959年にインドの代表団がソ連に入国した際に、天然痘が入ったが、科学者はこれを利用した。新しい細菌兵器「インド1」が開発され、菌株がザゴルスク6に置かれた。モスクワ州にあるこの街は、閉鎖されている。
ソ連の物理学者で「水爆の父」アンドレイ・サハロフの家
ドミートリイ・ドンスコイ/RIA Novostiアルザマス16は、ソ連時代に核兵器の開発が行われていた街。特別な秘密都市であったため、ここで働く人もその家族も街の外に出ることを禁じられていた。今日、サロフという名称に変わっているが、今でも核兵器の研究は続いている。
地下潜水艦基地のあるクリミア半島の街バラクラヴァは、825GTSとしても知られている。ソ連の潜水艦は秘密裏に配備され、敵に核攻撃を行う準備が整えられていた。この大きな施設の収容能力は14隻。今日は博物館として一般に公開されている。
秘密の街スヴェルドロフスク45は、ウラン濃縮施設の近くに創設された。ここは海外の諜報機関の標的になり、アメリカ空軍のパイロット、フランシス・ゲイリー・パワーズは、U-2偵察機でこの上空を飛行して撃墜された。現在の街の名称はレスノイ。閉鎖されている。
現ラトビアに位置する街スクルンダ1には、ドニエプルMレーダーとドニエストルMレーダーがあった。探知範囲は西ヨーロッパの空域全体で、弾道ミサイルの発射を探知できるものだった。1990年代、スクルンダ1は放棄され、ゴースト・タウンになった。
クリミア半島のセヴァストポリ近郊にある221施設は、ソ連海軍の秘密の予備指令所であった。核攻撃の防護が可能なこの巨大な複合施設から、黒海艦隊全体を管理することができた。
アラル海の水位減少によって数年前に本土の一部となったヴォズロジェニエ島は、ソ連の細菌兵器の試験場であった。また、海軍や空軍の部隊の一部の基地、科学施設もあった。活動の詳細は依然として機密あつかいである。
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