野生動物はときに人間に近づこうとし、都会の環境下で自分の場所を見つけようと必死になる。ロシアの街中で、どんな野生の動物を目にすることができるのだろうか?
牙のような犬歯を持つこのシカはかなりの希少種である。シベリアジャコウジカはロシアのレッドブックにもリストアップされている。ユジノサハリンスク(極東)では、地元住民らが定期的に街中でジャコウジカに遭遇している。この動画に映し出されているのは、おそらく道に迷ったシベリアジャコウジカが自失状態で食べ物を探し求めて住宅地をさまよっているところだろう。
夜中になると、自動車に乗る人たちは注意深く運転する必要がある。森から出てきた動物を轢いてしまうからだ。
カフカス地方にアメリカのアライグマだなんて、いったいどこからやってきたのかと思うかもしれない。しかしリゾート地のソチでは、家の中に入って来て、おいしいものはないかとゴミ箱や漁っている野生のアライグマがしょっちゅう目撃されている。実はアライグマは1920年代に動物種を多彩なものにするためにここに連れて来られ、どうやらここが気に入ったようだ。また人々はアライグマを怖がらない。逆にもしアライグマが木の上でひっかかっていれば誰でも助けに行く。外見はとても可愛いからだ。
しかし実際のところ、アライグマは人間に近づくと、最後の一切れまで食べ物を奪ってしまうマフィアのような存在である。
野生のホッキョクグマは騒がしい道路や自動車から離れていた方が幸せなのだろうと思うかもしれない。しかし実はそうではなく、ときに人間社会を好むことがある。ロシア語には「ホッキョクギツネがやってきた」という表現があるのだが、それが何を意味するのかがこれを読めば分かるだろう。ノリリスクの住人たちは飢えて、パニック状態になり街を徘徊していたホッキョクグマの群れを捕獲した。ホッキョクギツネは概して、狂犬病を引き起こす恐れがあることから接触しない方がよいとされている。しかし動画に対する「かわいい!」というコメントにあなたはどう感じるだろうか。
もう一つこのような事件もあった。ノリリスクでは、ホッキョクギツネは魚釣りの人たちのところに現れ、まったく躊躇することなく、穴釣りの穴に入り込む。「よくそんなに図々しいことができるな!取るな!」と男性は驚いて言ったが、「まあいい、取っていきな」と言うと、ホッキョクギツネは魚を奪っていった。
野生動物は地方都市だけではなく、モスクワでさえ見ることができる。モスクワにも多くの森林や公園があり、そこに動物たちが生息している。
その中のいくつかは人間とより親しくなることも厭わない。なぜなら人間はおいしいものを持っているに違いないからだ。
目撃者らによれば、モスクワ南東にあるクズミンキ公園にキツネが現れたという。ゆっくりと小道を散歩していたそうだ。
キツネはときに道路にも飛び出す。そして変わることなく、通行人に感動を与えている。
ロシアの森にはヘラジカがたくさん生息している。そしてヘラジカが道路に飛び出してくることは珍しいことではない。ときにはベッドタウンにも姿を表すことがある。サンクトペテルブルグの地元住民たちはベッドタウン、ムーリノでヘラジカが歩いているのを目撃している。
アムール州のティンダ市は文字通り、森に囲まれており、野生動物はかなり頻繁に人々の前に姿を見せる。
食べ物が見つけられないと、街の郊外にある下水処理場に近寄ってくるという。地元の人々によれば、ダーチャや畑を歩いていることもあるとのこと。動物保護監視員たちは当初、クマを森に戻そうとし、真に人間の生命に危険があるときに限って撃ち殺していた。残念ながらそのようなケースはこれまで何度かあった。
たとえば2018年7月、鉄道駅に設置されている監視カメラが、クマがデポの職員を追いかけているところを捉えていた。このような映像を見ると、本当に恐ろしくなる。
少し街から離れると、クマは道路を普通に歩いている。
しかし、地元住民の中には、クマにビスケットを与えたりする勇敢な人もいる。
シロクマは北方の街にはよく姿を表す。アルハンゲリスク州、チュコトカ、ヤクーチヤなどに生息する。2019年2月、ノーヴァヤ・ゼムリャ列島では夜中にクマが住宅の玄関に入り込んだとして非常事態を宣言した。
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