想像してみてほしい。あなたは古いフルシチョフカ(フルシチョフ時代に建てられた集合住宅)にいて、穴の開いた靴下を履き、薄汚れたTシャツを着て、ウシャンカ(耳あてのついた防寒帽)を被っている。部屋の中を見回すと、壁には花柄の壁紙が貼られ、ヨレヨレの絨毯とソ連の国旗が飾られていて、部屋の隅にはどんよりと光るイルミネーションライトで飾られた人工のツリーが立っている。部屋の真ん中にはお祝いの用意がされたテーブルがあり、ティーポットとソーセージが乗ったお皿が2枚、そしてボトルワインが何本か乗っている・・・。
新年を祝う乾杯の挨拶とともに友人と酒を飲もうとしているのだが、うまくいかない。友達のひとりはテーブルですでに眠っているし、別の友達はあなたのソファで吐いている。
こちらが、ロシアのゲーム会社Vodka Productions & Consumptionsが作った新しいゲーム「シミュレーション・ブハニヤ・オンライン」 の映像。プロジェクトのページがPCゲームのプラットフォームSteamに登場したのは2020年7月、ゲーム自体は10月にリリースされる。
このシミュレーションゲームは、「バーチャルな友人」とソ連時代の部屋で飲み会をするというもの。バーチャル部屋には最大8人のプレーヤーが参加できる。友人と参加することもできれば、一緒に酒を飲む相手を探しているプレーヤーと参加することもできる。ゲームにはチャット(文字入力と会話)が備わっている。会話のネタがなくなったときのために、ゲームにはアネクドート(小咄)や乾杯の挨拶を集めたものが用意されているほか、酔っ払った状態で一緒にテレビを見ることもできる。
またゲームが飲み会のきっかけを与えてくれる。あるスクリーンショットでは、2人の男性が国際チーズボールデーを祝っている。また普通の相手と話すのがつまらなくなってきたら、いつでもクマを飲み会に誘うことができる。パーティを盛り立ててくれることは間違いない。
飲み会は1つの家で行われるとは限らない。玄関先でブレイクダンスをする若者が待ち受けていたり、通りに出れば、雪の積もった横丁で競馬ならぬ、競熊が行われていたり、ビアホールの近くではゴプニク(ロシア版ヤンキー)たちが喧嘩をしているはずだ。
ゲームの開発者たちは、「このゲームはジェントルマンたちと酒を飲むための理想的なソリューションである。あなたのような優雅な仲間を探し、ウォトカのボトルを開けながら、地政学的問題について話し合うことができる」と書いている。
Steamでのリリースは2020年10月23日が予定されている。
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