ロシアが新型装甲車をシリアに派遣

Vitaly V. Kuzmin/vitalykuzmin.net
 この金属製の怪物は、今後テロリストとの戦闘が行われる地域で活動する医療関係者を守ることになる。

 シリア・アラブ共和国内のロシア軍の拠点の一つにロシア製の最新装甲車「リンザ」が配備されたとロシアのメディアが報じている

 車両が確認されたのは、現在「シリア民主軍」が支配しているラッカから45キロメートル離れた地点だ。 

「リンザ」とはどのような車両か

 車両に関する情報は今なお機密扱いであるため、この記事では、技師らとロシア連邦国防省が社会や世界に向けて公表する準備のあるデータのみを話すことになる。

 これは戦場から負傷者を退避させるための装甲車だ。いわば、あらゆる種類の小火器攻撃や地雷の爆発に耐えられる軍用「救急車」だ。

 「リンザ」は装甲車「タイフーン」をベースに作られているが、「タイフーン」と違い、運転席の後ろのメインセクションで医師が戦場にいながら負傷者に応急処置を施すことができる。ここには同時に最大で4人を寝かせることができ、また最大で6人を座らせることができる。 

 負傷者の運び方としては、2人を寝かせて3人を座らせるという組合せも可能だ。走行は滑らかで、起伏の激しい場所でも負傷者を最大限快適に運ぶことができる。

 しかも「リンザ」には軍用セラミックと鋼鉄の複合装甲が施されている。複合装甲は第3級の防御力を保証し、大口径狙撃銃の徹甲焼夷弾による直接攻撃にも耐えられる。

 車底部もまた対戦車弾の爆発に備えて補強されており、TNT換算で8キログラムの爆発物に相当する威力の爆発に耐えられるようになっている。しかも、仮に車輪に損傷を受けたとしても、「リンザ」は起伏の激しい場所で最大50キロメートルは走行を続けられる。

 周囲に設置された5台のカメラが車両の全方位の視界を確保している。車体の上部には遠隔操作式の機関銃用銃座を設置でき、運転助手が装甲で保護されたセクションで車内モニターを見ながら銃を操作できる。

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