この、ロシア南部の主たる港湾都市は、ロシア最古(2300万年)で最長の川のひとつであるドン川によって右岸と左岸に分かれている。この街の社会基盤や、中心地、歴史的建造物の主たるものは右岸にあり、一方、緑地はすべて左岸にある。
ブラジル対スイス(6月17日)、ウルグアイ対サウジアラビア(6月20日)、韓国対メキシコ(6月23日)、アイスランド対クロアチア(6月26日)の4試合が行われるロストフ・アリーナスタジアムは、ドン川添いに延びている新左岸公園と同じく、左岸に建設されている。新左岸公園からは、街の雄大な景観が見渡せ、園内には、美しい砂浜もある。さらに、乗り物に乗ったり、散策したり、川を楽しめる場所がたくさんある。
ドン川は遊泳にはあまり向いていないが、岸ではピクニックを楽しむことができる。 市内の右岸側から自転車に乗り、ヴォロシロフスキー橋を通ってドン川を渡り、戻るときには、左岸公園とロストフ・アリーナのところで折り返せばいい。
ドン川の左岸には、ダーチャ(別荘)や豪華なホテル、レストランがたくさんあり、ここはヨーロッパの同種のレクリエーション地域の中でも最大級のものだ。左岸の楽しい性質は、よく知られているロシアのシャンソンの中でも賞賛されている。
公園内をサイクリングしたら、左岸通りをさらに進み、たくさんあるレストランのひとつでお腹を満たそう。店の多くには、川と街の素晴らしい景色が見渡せるテラスがある。
街の中心部には、自転車かタクシーで戻ってくることができる。中心地には、自転車レンタル所が数か所ある。左岸を走って戻ってくるのには意味がある、そうすると、街のツアーを続けることができるのだ。
これは、ロストフ・ナ・ドヌーで最も美しい通りで、観光スポットの大半はここにあるので、ガイドを雇う価値がある(このサイトで選ぼう)。19世紀、20世紀の邸宅や、帝政時代の市参議会、現在の市議会、美しい花の庭園があるマクシム・ゴーリキー公園、スタロ・ポクロフスキー教会、開いたグランドピアノの形をしたロストフ国立音楽劇場、マルティン兄弟の家劇場、さらに、多くの噴水や記念碑もある。
この地域のグルメには、ドン川で獲れる多様な魚料理が自慢だ。ロシア版バーベキューのシャシリクのような美味しい肉料理については言うまでもない。
伝統的な食べ物を提供してくれるお勧めのレストランとしては、“オネーギンのダーチャ”(チェーホフ大通り45B)、“コサック小屋”(レヴォベレジナヤ通り5)、“コサック農家”(レヴォベレジナヤ通り95)“静かなドン”(ベレゴヴァヤ通り10)などがある。
ロストフの料理は、異なる多くの文化の影響を受けている。コサック、アルメニア、ユダヤ、ウクライナの食文化の伝統がここに集っている。絶対に食べるべき料理は、ドン風ウハー(魚のスープ)、ボイルしたザリガニ、キャベツとキャビアを詰めた鯉、ハチャプリ、ドン風サラダ、自家製のシャウルマ、ソリャンカ(濃厚なスープ)、オクロシカ(生野菜入りの冷製スープ)、ピーログ(パイ)、各種の肉、地元のピクルスなどがある。
ロストフの地元の人たちは、ビールがとても好きだ。そのため、クラシックな組み合わせは、タランカ(ロアチ)、リベット(ヴィンバ)、またはリエシュ(ブリーム)といった魚を軽めのラガービールで流しこむ。ビールとボイルしたザリガニもとても合う。
ドンのワイン造りの伝統は世界最古のもののひとつだ。最も人気のあるブドウの種類としては、ツィムリャンスキー・チョールヌイやクラスノストプ・ゾロトフスキー、プレチスチク、シビルコヴイがある。
これは、街の中心部、音楽劇場(ソツィアリスチーチェスカヤ通り162)の真後ろに位置する新しい博物館だ。ここでは、ロシアの皇帝の護衛だったコサック軍について知ることができる。博物館には、オリジナルの書類や写真、制服、武器が展示されている。
2世紀にわたってロシア皇帝を守ったコサックの歴史と、彼らが行った驚くほどの冒険と勝利、彼らのユーモアのセンス、そして、ロシア革命後の彼らの人生について学ぼう。
体験してみたい人には、実際にコサックの銃を撃ったり、剣を手にとったり、蜂蜜をつけたキュウリといった伝統的な食べ物を味わうこともできる。事前にツアーを予約しておこう。
ロストフ州立美術館の本館は、エントランスにバラが咲いていて、小さな城のようだ。ここは、古代のイコンから現代の画家まで、ロシア芸術のコレクションを所有している。アイヴァゾフスキーやクインジ、シーシキン、レヴィタンの絵画を探してみよう。
ここでは特別に、ワールドカップのために、地元出身の画家の展覧会が準備されている。西洋美術が展示されている美術館の2番館で見ることができる。
この音楽祭は6月中行われている。ピョートル・チャイコフスキーの音楽を元にしたクラシックバレエの『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『エヴゲーニー・オネーギン』『スペードの女王』、さらに、ロシアのカルト・ロックオペラ『ジュノーとアヴォシ』『イーゴリ公』などが上演される。音楽祭のタイムテーブルはこちら。
FIFAのファンゾーンはここ、街のメイン広場にあるのでこの場所は見逃せない。周囲の建物の建築と歴史に浸ろう。
この劇場はトラクターの形をしている...ばかげている? そんなことない! 1935年に建てられたマクシム・ゴーリキードラマ劇場の建物は、構成主義様式の見本として世界でも有名だ。この建物の形態の元になったのは、おそらく、ソヴィエト初のトラクターである“コムナール”というキャタピラートラクターだろう。ロンドン建築史博物館に、ロシアは2つのモデル、聖ワシーリー寺院(モスクワ)とこの劇場の建物を展示している。
劇場と観覧車の後ろにある十月革命公園をチェックするのを忘れないで。
川を見下ろす数々のカフェのひとつで朝食を食べたら、右岸沿いに散策しよう。ここには、美しい遊歩道があり、19世紀から残るパラモノフの倉庫や噴水、ノーベル賞を受賞したミハイル・ショーロホフの作品の登場人物に捧げられた数々の記念碑を観ることができる。
この街にいる間に、半日、あるいは一日の小旅行を予約してロストフを探索するというアイデアも悪くはない。さらに追加のガイドをチェックしてみよう。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。